(ミーナさんのブログ、「美少女生活」より)
ファスナー。
多くの着ぐるみに、なくてはならないもの。
それは人と着ぐるみの境界線でもある。
中の人にとっては、自分しか味わう事ができない
濃密で密封された空間への入口である。
僕に背を向けた君が、僕にファスナーを上げる様促す。
僕がファスナーを上げるにつれ、君はだんだんと、着ぐるみの向こうの人になる。
君が舞台から戻ってくると、君じゃないキャラクターが僕にファスナーを下げる様促す。
さっきまでキャラクターだった目の前のそれが、君になって生まれ変わる。
そう、ファスナーは、人とキャラクターの境界線という意味で
着ぐるみが持つダイナミズムを最も象徴する存在。
「ファスナー上げフェチ」という人がいる。
着ぐるみのファスナーを上げるのに
あるいは着ぐるみのファスナーを上げてもらうのに
心の琴線がふれる、という人々だ。
ファスナーは、いわば覚悟である。
ファスナーを締め切った瞬間、中の人はそのキャラクターになることを完了する。
締め切ったら最後、そのキャラクターとして空間に居続けなければいけないのだ。
一旦この世に存在する自分から、おさらばするのだ。
そして己の魂を、その着ぐるみに捧げるのだ。
そう考えたら
益々着ぐるみに入りたいって思うようになりません?
(かえって入りたくなくなるか。)
ように、彼女の背中にはファスナーがついていて」とありますが
本当に、神秘の世界ですよね。
このウルトラの母のファスナーを下ろしたら、汗だくで、ちょっぴり匂う天使がぐったりとでてくることでしょうね。