1hhurgpb.JPG着ぐるみに入りたい」と、その一言だけで僕の中で女神と言い切ってもいいはちくろさんのBlogに、こんな記事が。



この、長身のパンダを暇なので(笑)ずーっとウォッチングしていたのだが、このパンダ、お客さんがいないとみるや、すぐに階段に座りこむ。へたりこむ。横座りする。
もーパンダの若さがまったくないのである。
可愛い幼児のお客さんが来ると、おざなりに愛想を振りまくが、はしゃぐ子供のテンションよりもはるかに、低いテンションで動作する。
なんだかなぁ・・・。
<中略>
長身のパンダは頭部をしょちゅうはずして、生の顔を見せ、同僚と歓談したり、ヨーヨー釣りをして遊んでいた。
うーむむむ。
そんなもんでっしゃろか?有名住宅供給会社の社員ってさぁ?。




この描写に象徴される様に、日頃から着ぐるみに対し並々ならぬ憧憬を抱く人間がいる一方で、一般的に世間の「着ぐるみを着る事」に対するイメージは、残念ながら高いとは言えない。

僕に言わせりゃ、折角着ぐるみの中に入る幸運に恵まれておいて、このぞんざいな態度はなんだと、怒りを通り越してため息さえついてしまう。バチがあたるぞバチが。


そういえばこんなことを思い出した。

大学1年のことだったか、来る夏休みを前にして、何かバイトでも始めようと大学生協をうろちょろしていたときのこと。
たまたま一緒にいたK江姐さん(同期だったが一浪して実際には一つ年上だったのでこう呼ばれていた。もっとも一浪して同い年の連中もこうよんでいたが)も、同じようにバイト探しにそこへ来ていて、一緒にバイト探そうということになった。

そのとき、「着ぐるみショーキャスト募集」という一つのコラムを見つけた。

子供の好きなK江姐さんのことだし、これは彼女を引き込むチャンスだと咄嗟に考え、僕は何の気なしに、「あー、俺こういうのって一度でいいからやってみたいんだよねー、一度やってみない、面白そうじゃん」と、さりげなく彼女に振ってみた。
(おそらくまったくさりげなくなかったと思うけども)

そしたら、彼女の反応は一言「やだ。こんなの。暑くてきつそうだし、だいいちバイト料安すぎるじゃん。」

あまりにもはっきり言われ、その言いようがあたかも「着ぐるみを選択する者=負け組」の様な言い草だったので、僕はまったく反論もできぬままあっさりとこの提案を取り下げざるを得なかった。

ネット上のあらゆるところで見られる着ぐるみ体験談でも、まだまだ着ぐるみに入らされたことを屈辱的なネタとして、「トホホ談」の様な形で紹介されている事が少なくない。
着ぐるみのバイトというのも、3Kにプラス「苦しい」が加わる「4K仕事」として、敬遠される向きも少なくない。

ちなみに、かのK江姐さんのリアクションがあまりにもショックで、それが尾を引き結局僕は学生時代に着ぐるみのバイトをしそびれてしまい、いまだにそれを引きずって生きている。

某アイドル歌手がかつて、「若いうちはやりたいこと何でもできるのさ」と歌ったが、本当に、若いうちにやれることをやっとかないと、後になって本当に後悔するということを、今になって痛感している

余談であるが、結局K江姐さんとは、某繁華街の人気居酒屋店で一緒にバイトすることになったのだが、ここがもう死ぬほどキツくて、毎晩終電で家にたどり着く頃には立つ気力もない程疲弊しまくっていた。彼女が店のアイドルとして何かとちやほやされた一方で、僕は板場のドキュン連中の標的となって、ほんとにコキ使われた。結局僕もK江姐さんも、その夏休み限りでそのバイトは辞めてしまったのだが・・・。