0dnvt6nv.JPG着ぐるみの中に入っている君が、スタッフの近くへ来て何やら耳打ちする。

その時、君は一瞬だけ君の仕種になる。

着ぐるみは、喋る事が出来ない。


着ぐるみに入るということは、視界と呼吸の自由を奪われるだけでなく、コミュニケーシションの自由をも奪われるのだ。

しかも視界や呼吸のそれが物理的に奪われるのと違い、コミュニケーションは中身自らが統制しなければならない、精神的な自由の自主規制だ。


喋らないでいる着ぐるみは、美しい。
しかし、その規律を破って喋ってくれる着ぐるみは、もっと美しい。

どちらにせよ、狭い空間に押し込められながらも、明るく振舞うけなげな君の姿が、着ぐるみの向こうに感じ取れるから。